That's not such a big deal, is it?



 「お、酔と春風ちゃんじゃん」


 桃瀬と春風の存在に気付いた 野村月海 (のむら つきみ) が声を上げる。

 野村はまだこの暑い時期にも関わらず長袖ワイシャツにセーター、その上にジャケットを羽織るという完璧なる冬服を着用している。

 人と体温感覚が違うらしく野村の「今って暑いの?」という呟きに「めっちゃ暑いよ」と返されると「じゃあ俺も暑い!」と合わせている光景をしばしば見かける。

 野村は頭が良く人に勉強を教えるのも上手だから人狼ゲームにおいて有能な人材だろう。

 人狼を推理して他の人が納得できるような説明だってできるにちがいない。


 「本当だ。やっほー」


 野村に続いて、野村の近くに居た霊野も桃瀬たちを見た。

 そう言えば二人は何だか__


 「なんか野村と雪御、この状況だって言うのに元気じゃない?」


 春風が二人の元気さについて気になっていたことを先に桃瀬に質問されてしまった。

 こんな状況なのに二人は何もなかったかのように過ごしている。

 怖くないのだろうか。


 「怖くないの?」


 春風も続いて質問すると、


 「普通に怖いし」


 霊野にあっけなく即答されてしまった。

 怖いのになぜ明るく振る舞うのだろうか。


 「怖いから通常運転を心がけてるんだよ」


 「笑ってれば面白くなるって言うらしいし?」


 「あ、そうなんだ」


 さらに追求しようかなと思う前に野村と霊野は答えた。

 怖いからこそいつも通りに過ごす、か。

 春風もそうしてみようかなと考えてみる。

 この状況が面白くなる、ということはよく分からなかったけれど。


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