That's not such a big deal, is it?



 「そうそう、異色で思い出したんだけど。異色って身体能力高くない?」


 「え?」


 桃瀬が発した言葉に反射的に信じられないというような声を出す。

 それもそうだった。

 あのとき、異色は床に勢いよく落ちて、とても痛がっているように見えた。

 あれのどこを見て、桃瀬は身体能力が高いと思ったのだろうか。


 「ゲームマスターが異色を呼ぶために二回、手を叩いたでしょ?そのときに私の上から異色が降ってきて、下敷きになるかと思ってたんだけど、異色は難もなくふわりと着地したんだよ。そのおかげで、私が下敷きになることもなかったし。もちろん、私にはできないことだから、異色の身体能力の高さに感動したんだよね」


 桃瀬の異色は床に落ちることがなく、しっかり着地したという。

 それは春風の異色と違っていた。


 「でも、俺の異色は着地じゃなくて、そのまま床に落ちたよ?かなりの勢いで」


 「え、そうなの?…なんかさ、普通は逆じゃない?私と春風さんの身体能力を考えると、私の異色が床に落ちて、春風さんの異色が着地した、ってなった方が自然だと思うけどね」


 「分かる。なんか不自然だよね」


 桃瀬の意見に春風が納得したときだった。

 春風と桃瀬のスマホから通知音が流れて、振動したのが分かった。


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