That's not such a big deal, is it?




 「今は『異色が行動しなければいけない状況』だから、仮説が正しければ異色は動く…だったよね?」


 海本の問いに春風が頷くと、


 「異色に命令…?というか、俺が『異色が動かなきゃなー』って考えればいいんだよな。じゃあ、やってみるよ」


 その実験に名乗り出た。


 「わー!ありがとう、春ちゃん!」


 …異色は今、体育館の角に歩いて行ったほうがいいな。

 異色は今、体育館の角に歩いて行ったほうがいいな。

 異色は今、体育館の角に歩いて行ったほうがいいな。

 同じ言葉を脳内で繰り返して、それ以外のことを考えないようにする。

 すると春風の異色が体育館の角に向かってゆったりと歩き始めた。


 「すっごーい!本当に動いちゃいましたよ!」


 「春風、やるじゃーん!おれもやってみたーい!」


 「ふふっ、なんだか魔法みたいだよねー!?」


 「わ、本当に動いちゃったよ。……春風は角に行けって考えてた?」


 「うん、そうだよ。…でも、成功するなんてびっくり」


 それぞれが多種多様な反応を見せているが、みんな興味津々のようだ。


 「ねえねえ、私たちもやってみようよ!もしかしたら、春風さんだけの特殊能力…かもしれないし!」


 「いいねー!すずも試してみたかったの!!」


 「なら、おれたちの異色を春風の異色の周りに移動させてみようぜ!」


 そんな会話が行われると、次第に春風の異色のもとに海本、莜彩、桃瀬、林堂の異色が集まってきた。





 「わー!!!動いたよー!!!!!!」


 「なんか………今更だけど、自分を客観的に見るのって気持ち悪!!」


 「どうにも言えない不思議な気持ち…」


 「ちょっと、紬…うちの異色にわざとぶつかりにいってるでしょ!」


 「えっ、バレた?まぁまぁ、いーじゃん!これも実験の一環ってことで」


 「まぁ、それなら?って…あー、酔っぱらいがうちの異色叩いたー!」


 「私じゃなくて、私の異色ですよ!あと、ちょっと『他人の異色を攻撃できないかな』って思っただけですもん!」


 「なんで!?話飛躍してない…?」


 「いやっ、すずは。これは違うんです……ただならぬ事情が…」


 「嘘つけー!」


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