家族になった来栖くんと。
須和くんとは極力関わらない。
そうすれば女子たちの視線を受けなくて済む。
心では分かっているけれど、現実はそう簡単にはいかないものだ。
「しーらやーまちゃん。ごめん、教科書忘れたから見せて」
だって本人さんが話しかけてくるんだもん……。
嫌です、とは言えない軟弱者が私だ。
「ど、どうぞ」
「ありがと。お礼にこれ、あげる」
「……う◯い棒…」
「駅で配っててさ、朝」
ここでもありがたく受け取ってしまう、軟弱者め。
たとえ授業中だとしても女の子たちは常に目を光らせて私たちを見ているし、動物並みの聴力を持っているんだよ須和くん。
「にしてもさー。須和のやつ、もう2年の女子は制覇したっぽいよ」
お昼休み。
寧々ちゃんは鼻で笑いながらそんなことを言った。