家族になった来栖くんと。
「姉さん、そっちの家で暮らすらしいけど」
「あっ、…うん」
「いろいろよろしく」
それだけ言って、スタスタと歩いて行ってしまう。
クールがクールにもっと磨きがかかったような気がする…。
無愛想、言葉足らず。
来栖くんにはぜんぶが当てはまる。
私と付き合っていたときも笑顔を見せてくれたことなんか、きっとなかったと思う。
同い年の兄弟がいることも今回初めて知ったもんね。
「緋彩っ、涼さん!本当に本当におめでと~!!」
友人代表の挨拶、ケーキ入刀、余興。
お兄ちゃんの交友関係にはびっくりした。
涼さんもお仕事柄同僚が多いみたいで、親族たちもたくさんで一生忘れられない結婚式だろう。
「続きまして新郎様の妹にあたるつぐみさんから、ピアノの演奏をお届けします」
もし自分に自慢できるところがあるとするなら、これだけ。
幼少期から習っていたピアノは、どうにも兄より才能があったらしいのだ。