家族になった来栖くんと。
「…うるさい」
そんな素っ気なくていじわるで可愛い反応が、誰かに似ているような気がした。
いつかの誰かにそっくりだった。
甘えたい。
もう、寄りかかってしまいたい。
きっと私がそう言ったなら、この人は「おいで」と笑ってくれる。
「…北斗くん。あのね、」
「────通行の邪魔なんだけど」
「っ…!!」
まさしく、地獄。
最悪なタイミングで聞いてはならない声。
脳は思考放棄して、意外にも身体は冷静に声の方向を捉えることができた。
「く、くる、す……くん…」
「姉さんに連絡した?夕飯、準備して待ってたんだけど」
「しっ、してない…です…」
「人の世話は勝手に焼いてくるくせ、自分のことは大して考えてもないとか。笑えんね」
「……ごめん…なさい…」
「そーいうの、自己中って言うんだよ」
どうしてそんなに怒っているの…?
言ってまだ19時過ぎ。
たしかにいつもより遅いけれど、そんなこと言ったら20時半を過ぎても連絡しなかったいつかの来栖くんはどうなるの。