家族になった来栖くんと。
私を心配してくれてるの…?
昨夜のことは、そんなに覚えていない。
大事なところでいつも私は記憶が薄れちゃう。
それからパタンとドアが閉まって、部屋には須和くんとふたりきりになった。
「つぐみちゃん。お友達からのメッセージ見た?」
寧々ちゃんのことだ。
私が参加できなかったバスケのことだろう。
「…見ました…が」
「が…?」
「須和くんひどい…。中学でバスケ部だったくせに」
「えー。いやまあ、でもさ?やさしい嘘じゃん俺のなんか」
「……嘘つくひと、嫌いです」
「ごめん。本当にごめん」
その潔さに、「…もう」と、唇をとがらせることで我慢した。
すると少し、須和くんは私に近寄ってくる。
ううん、少しじゃなかった。
コツンとぶつかった、おでこ。
「…もう名前では呼んでくれない?」
「っ…、私は呼んでいいキャラクター、してないから…」
「キャラクター?なあにそれ」
須和くんを名前で呼んでいいのは、クラスでも居場所が特定された女子たち。
私のような立ち位置の生徒が気安く呼んでしまったら大問題だ。