家族になった来栖くんと。
「まあいっか。自然と呼べるようになっていくだろうし、そこは俺も急かすつもりないから」
脳裏に浮かんだ存在は渚ちゃんだった。
そして私の声が、こだまする。
もう話し合いなんかいらないよ。
来栖くんが渚ちゃん、須和くんは私。
それでいいじゃないか。
バランスが取れて喧嘩にもならない───と。
「…つぐみちゃん。ちょっと当てていい?」
「え…?」
「たぶん君、わりと俺に揺れてると思うよ」
「っ…!?」
図星なんだと思う。
私は正直、揺れている。
過去の恋愛にいつまで縛られて、いつまでそれで苦しむつもりなんだ私は。
もう、いいんじゃないかなって。
どんなに解決していなくても、恋は上書きだと言うから。
「うむっ、須和っ、くん…っ?」
「でもあの挑発はさあ…、まじクズじゃんね」
ぐいっ、ゴシゴシ。
なにもつけていない私の唇の色でも落としてくるつもりなのか、どこか悔しそうに拭ってくる。