家族になった来栖くんと。
「あたしがこんなブスに負けるわけないっつーの。浮かれんのも今のうちだからね?」
それだけ言って、鼻高々に私を通りすぎていった。
そう、これだ。
これが普通なんだ。
須和くんの人気度であれば、こんなふうに私が刺されることなんか変じゃないし、むしろまともな反応だとも思う。
「でもブスは……いくらなんでも直球すぎるなあ…」
須和くん、私はブスなんだって。
だからきみが惚れていい女の子じゃないよ。
……来栖くん。
もしかしてあのとき、私がブスすぎたから泣いていたの…?
なんて、ここまで極端すぎる思考回路になってしまうほど、あの涙の理由が分からないのだ。
「こーんなとこにいたし」
「っ!……須和くん」
あれから体育館に戻ることなく、たまたま空いていた理科室で伏せていた。
理科室は校舎内で体育館からいちばん離れた1階の奥にあるため、今日はとくに生徒たちの足音さえしない。
だから須和くんからも逃げられると思ったのに…。