家族になった来栖くんと。




「決勝で負けちゃった。つぐみちゃんが応援してくれなかったから」



決勝チームは男子の過半数がバスケ部という、ちょっとズルいクラスだったのだと。



「…ごめんなさい」


「ふっ、いーよ。明日の二人三脚が俺たちのメインだし?」


「……須和くん。やっぱりペア、変えてもらってもいいかな…」



しーんと、沈黙。

耐えきれなくなって謝罪を乗せようとした私に、隣に座った彼がいつものように顔を覗き込んできた。



「つぐみちゃん、あの日からちょっと様子が変だよね」


「あの日……?」


「ほら、俺に初めて嘘ついた日。俺からの電話に出られなかった理由、あのときテキトーに言ったっしょ?」


「っ!!どう…して…」


「ははっ。わかるよ、わかる。あんな泣きそうな声して言われたら誰だって察するわー」



怒っているわけではないみたいだった。
須和くんは今も私からの説明をずっと待っている。

口をつぐんでしまえばしまうほど、誰かと何かがあったことが結果的にバレてしまうというのに。



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