家族になった来栖くんと。




「ごめんだけど、明日は譲らない」


「え…?」


「二人三脚、俺はつぐみちゃんと走る。つぐみちゃんが泣き叫ぼうが暴れようが、どうにかしてでも走ってやるね」


「そんなのいじわるだよ……、───、」



私は、とんだ失態を冒した。

意識なんかしていなかったし、もちろん重ねていたわけでもない。


ただ、事実として。

「来栖くん」と、言いかけてしまった。


須和くんの横で、須和くんと話しているのに、“いじわる”というワードひとつで名前を呼び間違えてしまったのだ。



「…やっちゃったねえ。つぐみちゃんよ」


「ご、ごめんね…っ、ほ、本当にわざとじゃなくて…!」


「それ逆にキツいから弁解とかやめて」


「っ、……はい…」



ああもう、なにやってるの私。

須和くんだけは傷つけたくないと、傷つけてはいけないと、常に思ってるでしょ…。


せめてこれ以上隠すことはしたくないと、私は正直に口を開くことにした。



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