家族になった来栖くんと。




「でも今のはね、悪いのはつぐみちゃん」



俺をあんなクズと間違えてもらったら困る
───そう言って、須和くんはおでこにちゅっと弾かせてきた。



「それに、俺が好きになった女の子はこんな可愛いってのに。その先輩も馬鹿すぎ」



あ、今の顔もかわいい。

そう言って、真っ赤に染まる頬にもまたひとつ。



「須和くんのばか…っ、これじゃあもっと明日ムリだよ…!」


「あははっ。確かにキンチョーすんね?…キスした相手と走るって。ねえ?」


「っ…、もう!」



心地がいい。

ほら、ここにも須和くんマジックだ。

緊張だけじゃない空気感があって、なぜか許せてしまいそうになるんだから困る。



「がんばろーね、つぐみちゃん。…えいえい?」


「……おー…」


「…もう1回シていい?」


「っ、ダメに決まってる…!!」



この楽しさに、彼の涙なんか消えちゃえばいいんだ。

だって、あなたが泣くことはない。
来栖くんが涙を見せる意味なんかない。


泣くのはいつも、いっつも、私だったはず。



「……ほくと、くん。…もう少し、ここにいたい…」


「…!……俺も」



甘えても許される。

私はもう、この人に甘えていいんだ。



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