家族になった来栖くんと。
「本番、がんばろーねつぐみちゃん」
「う、うん…」
これはたぶん、彼の特別な顔。
あまり人に見せるものじゃないからと、静かに静かに私に向けてきたのだ。
そしてこういうとき黙っている寧々ちゃんは空気の読み方を知っているひと。
「つぎの競技は男女二人三脚リレーです!生徒は準備を始めてくださーい!」
そして全校生徒のお目当ては、ここだ。
すでにグラウンドの中心に集まっている生徒たちのなかには、付き合っているとウワサされている男女が何組もいるらしく。
つまり見せびらかすための二人三脚。
青春すぎる青春のなかに、なぜか私が混ざっているという謎。
「つぐみちゃん。この紐で結ぶんだって」
と、集いを抜けてきて私のところ。
今日初めて須和くんとちゃんと向き合ったような気がする。