家族になった来栖くんと。




「んじゃあ結びますよーっと」


「…ふふ」


「……なにかなつぐみちゃん」


「ほ、北斗くんの手…震えてるから」


「…だって好きな子に触っちゃってるわけだからね。そりゃ緊張するよ」



北斗くん。

って、こんな距離感だと名前で呼びたくなる。


だってそう呼ぶと、とても嬉しそうな顔をしてくれちゃうから。



「痛くない?へーき?」


「だい、じょうぶ…」


「…ん」



この人が私の彼氏になるのも、そう遠くない。

むしろもう、すでに今も付き合っているのかもしれない。


あとは言葉だけ。


でもその言葉を差し出すときに迷うくらいなら、言葉はなくてもいいと言ってくれるのが、きっとこの人なんだと思う。



「───スワくん」



そのとき、聞き覚えのある声。

ちょうど私たちの足を結びきったタイミングで、頭上から降ってきた。



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