家族になった来栖くんと。
「つぐみ、立って」
「へっ…?」
「いーから立って。…はいできた」
初めての呼び捨てに戸惑う暇もなく、「立って」と言いながらも彼のいつもどおりの強引さに、私は直立。
固定されてしまった足場に、ぐらっと傾いたところを支えてくれるは須和くんの手。
「足踏みできそ?」
「えっと、あの……」
「掛け声どーする?1、2、って感じでいい?」
いや、須和くん。
きみは今は私じゃない人との商談中なのでは……。
「そうそう、うまい。転ばないようにだけは気をつけるんだよ」
「……はい」
「ちょっと〜、スワくん?」
「つぐみ、もう1回練習しよ」
「わっ!須和くん待って…!」
そこで。
「須和くん!!」と、大きめの声で呼び止めてきたリンカ先輩。
彼女の視線から咄嗟に逸らしてしまった理由は、かなり、とてつもなく、恐ろしかったからだ。