家族になった来栖くんと。
「…なに?」
「あたしを断るとか、あとでぜったい後悔するよ?」
「なんでわざわざキョーミもない人と足縛られてまで走んなきゃいけないんですか。なにかの罰ゲームだとしても俺は断るね」
「っ、須和くんって見た目によらずつまんないんだね。そんなブス相手にするとか、キモすぎ」
それからの競技本番は、はっきり言って記憶にない。
ただがむしゃらに息を合わせて走って、チームが何着にゴールしたのかすら覚えていなく。
にも関わらず、須和くんに背中を支えられるように当てられた熱だけは、妙にくっきりと保存されていた。
「…つぐみ。元気出して」
「むり……いろんな意味で目立っちゃった…」
「ごめん」
体育祭が終わった静かな教室に、机に伏せているのが私だ。
しゃがんでせめて顔をどうにか見ようとしているのが須和くんで。
今さっきまで一緒にいた寧々ちゃんは「体育委員の面倒なの呼ばれた…!!」と、忙しく教室を出ていったばかり。