家族になった来栖くんと。




やだな、この空気…。

もう少し様子を見るべきだった。



「い、いや…」


「あっ、もしかして伴奏?やってくれようとしてた?」


「…はい」


「うそ、ごめんねー。あ~…どうしよ。山口ちゃん部活入ってるし……でも白山さんってピアノできなくない?もしかして独学でやろうとしてくれてた?」



返す言葉を探しているあいだにも、それがなぜか肯定となってしまう。



「んー、ごめんね?なるべく経験者優遇でいきたいんだよね。気持ちだけは本当に嬉しいから」


「…ご、ごめんなさい」


「じゃ、じゃあ…今日のホームルームは終わりかな?みんな帰っていいよ~」



共感性羞恥のようなものを感じたのか、周りからクスクスと聞こえてくる。

最初から言わなきゃよかったし、変に目立とうとするとこうなっちゃう。


ここで学ぶなんて恥ずかしいね。


私ってそう、いっつも残念なんだ。



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