家族になった来栖くんと。




優しすぎる笑い声は、私を膝に乗せた背後から聞こえてくる。

東屋に入ってすぐ、北斗くんが取った行動はそんなものだった。


緊張よりもまずは安心を与えてくれるのが彼なのだと。



「意外でしょ?」


「うん。もっとキラキラした男の子だと思ってた…」


「ぜーんぜん。いつも先生に話しかけてるような、わりとオタクだったよ。垢抜けたのは中2くらいじゃない?」


「ふふっ。そうだったんだ」



こっちのほうが恥ずかしいなんて、そんな常識が通じたならそれはもう須和 北斗じゃない。

じゃあ向き合う?なんて、もっと恥ずかしいことを提案されそうだ。



「つぐみは?どんな子だった?」


「私は…今とさほど変わらず…」


「ふはっ。…つまりこれから垢抜けるってことだ」



髪の毛をそっとすくい退かされると、耳に触れた熱い吐息。

肩がピクリと跳ねてしまえばもう、彼のペースに飲み込まれてしまった証拠。



< 210 / 337 >

この作品をシェア

pagetop