家族になった来栖くんと。




「…浴衣姿、すっげえ楽しみにしてる」


「っ…、うん」


「これからもっといろいろ楽しいこと、あるからね」


「うん…」


「…こっち向いて」



重なった唇は、私の不安や寂しささえ、それごと包んでくれるものだ。

どうしてこんなに上手なんだろうって、たまに怖くなるくらい。



「あー!イチャイチャしてる〜」


「ひゅーひゅー!」



そこで茶化してきたのは、ランドセルを背負った数人たち。

反射的に離れようとした身体は、逆にぐっと引き寄せられた腕によって不可能だった。



「ほ、北斗くん…!子どもっ、小学生が見てるから…!」


「…クソガキがよー」


「ちょっ、クソガキはだめ…!」


「わー!またイチャイチャした!チューする!?」


「しちゃえよー!ちゅっ、ちゅーって!」


「うん、するよ。そっからよーく見とけ?」



もうっっ!バカ!!

私らしくない声が響くと、心底うれしそうに楽しそうに笑っている北斗くん。


このひとが人生で2人目の……私の彼氏。



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