家族になった来栖くんと。




「大丈夫?苦しくない?」


「はい!」



家事は完璧。

頭も切れて穏やかで、感情的になったところなんか見たことがない非の打ち所がない兄のお嫁さんは。

やはり着付けも完璧だったと。



「祭りか?そこの花火大会は来週じゃなかったか?」



着付けが完了して、ついでにヘアアレンジまでやってもらっている妹を見ながら、兄はつぶやいた。



「電車に乗って、隣町のほうに行くらしいの」


「隣町…?なんでわざわざ」


「ひ、人が混まないからっ」



彼氏と行くから。
ということを知っているのは、涼さんだけ。

万が一お兄ちゃんがそんなことを知ったなら確実に質問攻め間違いナシだ。


誠実な人間か?
信じていい男か?
前科はないよな?


なんて、失礼極まりない発言を弁護士という自信たっぷりな観点から言ってくることなんか分かりきっている。



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