家族になった来栖くんと。




「なんで謝んの?」



下駄箱、靴を落としそうになった。

同時に跳ねた心臓は、昼間、女の子から変なウワサを聞いてしまったからだ。



「く、来栖くん…」


「いつもそうだけど。白山さんって、誰かと話すだけで謝るビョーキか何か?」



ウソだね、あんなウワサ。

来栖くんは私のこと、逆に嫌いなんだと思う。

こんなことをわざわざ本人の前で言ってくるんだもん。



「ビョーキ……」


「や、そーじゃなくて。…ピアノ、したかったんじゃないかと思ったんだよ」



したかった。

歌うことはあまり好きじゃないから、自由に弾いていいならそうしたかった。


でも目立たない私なんかが伴奏者になれば、クラスの評価が下がっちゃうかな……とか。


被害妄想をして余計なことばかり考えて、決めつけちゃったんだ。



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