家族になった来栖くんと。




小学生、中学生、高校生。

どの町へ行っても女の子の目を惹いてしまう北斗くんには、やっと慣れた。


どんな声が聞こえたとしても離されない繋がれた手をじっと見つめて、何度か今日の私は眉が下がってしまう。



「なあなあ、あの浴衣の子かわいくね?」


「おまえ声でけーんだよ!彼氏に聞こえてたらボコられるぞ!」



すれ違うたくさんの声。

花火が見られる芝生にレジャーシートを敷いて、場所取りは完璧。



「つぐみはここで待ってて」


「え…?」


「なにか食べたいものある?なんでもいいなら、俺がテキトーに買ってくるよ」


「いや…でも、」


「下駄。たぶんキツいと思うし」



昨日は雨だったこともあり、足場が崩れていると。

たしかに気を遣わせてしまうし、歩幅も合わせてもらうことになる。


ここは北斗くんの提案にうなずいて、私は座って待つことにした。



< 221 / 337 >

この作品をシェア

pagetop