家族になった来栖くんと。




「あの…さ。笑わないで聞ける?」


「……?」


「これ、ガチだからね?冗談じゃないし、言い訳でもないからね??じつは……脳内でずっと言ってた……」


「……え?」


「緊張していつもの調子が出なかったのは事実なんだけど…。あんまジロジロ見すぎてもさ、ほら格好つかないっしょ?だから…俺、控えようと思って。その結果、脳内で言ってた……らしい」



つまり、彼のなかでは1000回は「可愛い」「似合ってる」「最高だ」と、私に言ってくれていたらしいのだ。

本調子が出なかったのは本当で、その理由は改札前で待ち合わせた時点で私に見惚れてしまっていたからだ……と。



「わ、私…っ、ずっとつまらないのかなって…」


「ないない、あるわけない。世界ひっくり返ってもそれだけはない。それに……俺、女の子とお祭りも実は初めてなんだよね」



そうだったの…?

トクリと、心臓が喜んだ。



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