家族になった来栖くんと。




バカって……。

褒め言葉にしては微妙だ…。



「もう…、それなら最初からそう言って北斗くん…」



よかった。

これで嫌われたら、それはそれでまたトラウマが増えてしまうところだった…。



「…本当に言っていいの?」


「うん。ウソは…嫌だから」



まだ隠している気持ちがありそうだ。

いつもなら、このあたりで抱きしめてくれるのが彼だ。

そうされない時点で、何か引っかかっていることが他にあるのだと思う。



「…今日、帰したくない」


「………えっ」


「って、改札で会った瞬間に思った。けど…さすがにそんなの言えないじゃん。いま言っちゃったんだけどね」



帰したくない、とは。

それはどういう意味でしょう…?



「…うち、今日さ。親いないんだ」


「そ、そう…なの…?」


「親戚の集まり?みたいなのに行ってて。帰ってくるの明後日で」



すでに学生たちは夏休みに入ってはいるものの、大人たちはまだお仕事が通常。

長期休暇といったらお盆くらいで、しかし今はまだ8月上旬。



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