家族になった来栖くんと。
「…泊まり、くる?」
「っ……」
「…まだ早い?」
その意味がわからないほど子供ではない。
付き合っている彼氏とお泊まりして、何もなく朝を迎える想像だけは間違っている。
北斗くんと…、須和くんと……。
「わ、私……はじ、めて…」
「…俺が貰っちゃっていい?」
「ゆ、浴衣…」
「…大学生の姉貴がいてさ。今は一人暮らししてんだけど……そいつの服で良ければ貸す」
なんて言うかな、うちの人たちは…。
お母さんは夜勤だし、お父さんもゴルフに行って飲んで帰ってきてるはず。
涼さんは唯一ほんとうの事情を知っているから、なんとなく彼女だけは了承してくれそうだ。
問題は、問題はね……。
「うち……、鬼がいるの」
「…鬼?」
「うん…。法律にだけは厳しい、鬼…」
「じゃあ…不純異性交遊とか、言われちゃうやつ?」
冗談抜きで、わりと真面目にコクン。
あの男だけを振り切れたなら、うまく騙せることができたなら、心配はいらない。