家族になった来栖くんと。
「たぶん、つぐみが言ってる鬼からじゃない?…この続きはちゃんと挨拶してからにするよ」
「……できればこんなの無視したい…」
「ふっ。…いーの?そしたら俺、我慢やめるけど」
シンプルにくくり上げられた髪の隙間に見える、耳。
ふっと息が吹きかけられるより前に、敏感になってしまっている身体がビクンと反応した。
「ひゃぁ…っ」
「俺が反応薄かったから不安になっちゃったんだ?……かわいいね?」
「っ、もう…っ!」
この日はどうにかしてでもお泊りをしたほうが良かったのかもしれない。
私にとっても、北斗くんにとっても。
誰が予想できただろう。
その帰り道、彼と離れたあとの道で───知らない車に連れ去られることになるなんて。
「お兄ちゃんのバカ!ブーブーうるさい…!まだ門限じゃないでしょ…?これから帰るよっ、まだ21時にもなってないですー!」
電車に乗る前、仕方なくと電話をかけた。
私の横でお腹を抱えてまで笑っている北斗くんが見られたから、まあいいかと納得をして。