家族になった来栖くんと。




「うっそ、お兄ちゃん弁護士なの?やば、すご…」


「私と違って成績優秀だから…」


「弁護士はねー、さすがに俺も順序ちゃんと守るよ。法には勝てない勝てない」


「もう…過保護すぎるの」


「でも逆に、何かあったときは頼れるから最高じゃん?」



そんな会話を繰り広げて、駅でバイバイをして。

家まで送ってくれると言ってくれたけれど、車でお迎えを呼ぶことを伝えると安心したように北斗くんは私に手を振った。



「ジュース買っていこうっと」



耳に当てようとしたスマホを一度、バッグのなかに戻す。

駅からそう遠くない場所にある自動販売機。


駅前のコンビニにすればよかったの。
自販機のほうが今は安いから、なんて。


そんな倹約な思考はストップさせて、安全だけを取れば良かったんだ私は。



「きゃっ…!!なに…っ、やめ…っ」


「うるせえな静かにしろ!!」


「…ッ」



横切った黒い車から降りてきた数人。

背後から口元を押さえられて、身体はぐらりと宙に浮いた。



「リンカ、こいつでいいんだろ?」


「そ。大当たり〜」



聞こえたのは、たったそれだけ。








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