家族になった来栖くんと。




『ちょっと桃弥…!白山さんから聞いたけれど、つぐみちゃんが帰ってこないって本当なの…!?』


「はっ、は…っ、本当…!姉さんたちも探してるっぽい…けど…!」


『あんた今どこにいるのよ…!危ないから一旦帰って───』



ここでもまた、電話を一方的に切る。

うちの両親にも情報が行き渡ったということは、すでに白山さんの親たちも警察などに行っていることだろう。


両家が総出で探しているにも関わらず、時間だけが刻一刻と過ぎていった。



「おいリンカ…、なんかめちゃくちゃサイレン鳴ってね?俺たちのことでサツが動いたわけじゃねーよな…?」


「はっ、サイレンなんかいつも鳴ってるでしょ?大袈裟すぎ」


「つっても、こんなん完全に拉致だぜ?おまえってほんと怖ぇ女だわ…。つーか俺たちの頃から北高の治安の悪さは変わんねーのな」



そこは、立ち入り禁止が貼られた工事現場。

日中であれば作業員たちが操縦機を動かして建物を解体しているような場所。


たまたま横切ったとき、男女ふたりの会話が俺の耳に入って足が止まる。



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