家族になった来栖くんと。
「やめてっ、こないで…!…っ、……たすけて────……くるす、くん」
聞き間違いでいい。
俺が都合よく勝手に捏造した幻聴でもいい。
俺が姿を現す手前で、自分の名前が呼ばれたことなんて。
「てめ…ッ」
俺を掴んでいた男を振り払って、がむしゃらに向かった。
薄暗い倉庫で俺を見つけた目は、信じられないものを見るように開かれて、そして。
「…くるす……くん……っ」
そして、涙いっぱいに泣き出す。
取り囲む男たち、手にするスマホ、そこから飛び出すライト。
カシャカシャと響くシャッター音。
そいつらに脱がされかけたのだろう浴衣から見える、下着と肌。
「…なに……してんだよッッ!!」
「うわっ、こえ〜!」
「あーあー、いいとこだったのによ〜。こいつもリンカの知り合い?」
もう、なんだっていーよ。
最低なことばっかして傷つけた元カレのくせに、クズ野郎なくせに今更なんだよって、誰かに言われたとしても。