家族になった来栖くんと。
結果としては拉致被害と強姦未遂、そして暴行被害。
警察と兄が駆けつけたとき、暴行を加えられてボロボロな来栖 桃弥が私を守るように抱きしめていたと。
犯人逮捕に至った証拠として、画面の割れたスマホが記録していたボイスレコーダー。
なにより彼の身体を張った行動がトドメとなった。
「つぐみさん、初めまして。西山警察署からきた山岸といいます」
「はじめ…まして…」
「お祭りの日のこと、少しだけ聞いてもいいかな…?思い出せる範囲でいいの」
「はい…」
正直言うと、記憶は曖昧。
花火が綺麗だったこと、彼氏と手を繋いで駅へ向かったこと。
そのあと起こったことに対する記憶だけが霧がかかったように霞(かす)んでいる。
「…リンカせんぱい、が……」
「彼女はお家の都合でこの町を引っ越すそうよ。これ以上つぐみさんが苦しむことには私たちが絶対にさせないわ」
「あと…、男のひとたち…っ」
「大丈夫。その人たちのことも警察が必ず法で裁きます」