家族になった来栖くんと。
「謝んないでよ。白山さんに泣かれるほうが…きつい」
「っ……」
「…そっち、行ってもいい?」
「……うん…」
私が少しでも怯えないように、距離や空気感を保ちながらそばに寄ってくれる。
「横になってなよ」と、せっかく起こした身体は来栖くんの言葉によって元通りになった。
ベッド脇に腰を下ろした彼の表情をつい見てしまうのは、それほどあまりにも痛々しいからだ。
「病院には行った…?」
「行ってない。俺、病院きらい」
「どうして…?」
「…注射とか、痛いし」
まさか来栖くんから注射が痛いだなんて言葉が出るとは思わず、気持ちとは裏腹、くすっと無意識にも響かせてしまった。
「…なに笑ってんの」
「あっ、ご、ごめ…」
「ちがう、怒ってない。…子供っぽいって思われた気がして…ちょっと拗ねた」
拗ねる……?
来栖くんも拗ねることがあるんだ…。
3ヶ月間だけの私たちの時間は、お互いの顔すら知らなかったってことだね。