家族になった来栖くんと。
「…あたま、撫でていい?」
「え…」
「…やさしくするから」
わざわざ聞いてくる。
強引にキスをしてきたり、強引に頬っぺを掴んできたりと、そんなものばかりだったというのに。
「……やだ…」
「…そーだよな。もう彼氏でもないし……ごめん」
「ちっ、ちがうの…!」
怖くなって、ぎゅっと目をつむる。
まぶたが動いたことで、とうとう両目から止めどないほどにポロポロと流れ落ちた。
「汚れちゃった…から…っ」
「………、」
「きたない、から……っ」
北斗くんに合わせる顔がない理由は、まさにこれだ。
だってあの日、お祭りの日。
本当であればお泊りをしていたかもしれない。
お兄ちゃんの門限さえなければ、あったとしても無視していれば。
私の心の準備さえできていれば。
なのに、それさえ2度とできないような汚れたカラダにされてしまったのだ。
それも知らない男たちに。