家族になった来栖くんと。




「へっ…?いいって……、あっ、ピアノ…?」


「も、そうだけど。……白山さんって彼氏とかいるの」


「かっ、彼氏…!?」


「…動揺しすぎ」



もうすぐ冬になるというのに。

今なら半袖短パンでグラウンドを走り回れそうだ。

身体が、顔が、熱い。



「いっ、いないよ…!?来栖くんと違って…私なんかには…」


「……ねえ、いっしょに帰んない?」


「え…、いいの…?」


「…かえろ」



やさしかった、すごく。

この瞬間の声は。
今まで聞いた何よりも、いちばん。



「来栖くんは…どこの高校、受ける…?」


「俺は西高。距離的にも変わんない幾つかと迷ったけど、校舎が新しいから西高でいいやって。…白山さんは?」


「私は……北高」


「…西高にしなよ」


「えっ…?」


「……はっ。うそ」



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