家族になった来栖くんと。
「電車、乗れる?無理だったらタクシー…じゃなく、いっしょに1時間くらい歩くけど」
「の、乗れる…よ」
「ぜったい女性専用車両ね。乗らなかったらアイス奢ってもらうから」
「へっ、いつ…?」
「いつでも。俺の気が向いたとき」
なにそれ……。
また勝手なこと言ってくる。
けれど、勝手すぎたあの時間は必要なものだった。
来栖くんに上書きされた時間は、私の心にとっても身体にとっても。
ただそれは、北斗くんに絶対言えない後ろめたさを作ったものとなって。
「おまえら。俺が見てる目の前で堂々とすごいな」
私たち3人。
腕を組んで立っている弁護士さんへ苦笑いを決め込んで、ロボットのように並び直す。
「…おい、クズ」
それから駅で分かれ道となる手前、来栖くんを引き留めたのは北斗くんだった。
さすがに外でその呼び方は……。
「名前、なんていうの?」
「…来栖」
「下の名前だよ。俺は北斗」