家族になった来栖くんと。
礼儀と常識がある彼は、必ずいつも「まずは自分から」を徹底させる。
そんな“須和くん”だから、私は甘えてみたいと思えたのだ。
「…桃弥」
トーヤ?と、1度聞き返してから。
北斗くんは納得したように首を浅く頷かせた。
「ねえトーヤ。今日から放課後、うちの学校までつぐみちゃんを迎えに来れる?」
思いがけない発言が彼氏から元カレに。
自分の彼女の迎えを、その元カレにお願いする構図なんか聞いたことがない。
北斗くん……?
もしかしてさっき、私が避けちゃったから…?
「…最初からそうするつもりだった。……親族として」
そしてもう、彼も隠すことはしなくなった。
クズでいい、狂っていていい、頭がおかしくていい───そんな諦めに似た吹っ切れすら感じる。
親族として。
そこだけが、きっと北斗くんに対する気遣いなのだろう。
「けど。いーの?俺なんかに託して」
「嫌に決まってるだろ。でも…俺はおまえと違って彼女をいちばんに考えるデキる男なんだよ。学校では俺がそばにいるから…帰りは頼んだ」
「…わかった」