家族になった来栖くんと。




それは俺の昔からの性質で、人との付き合い方でもあって、少し面倒な部分でもある。

おかげで自分の悩み事なんか、これっぽっちも話せやしないんだから。



「はい、私の奢り。心して飲んで」


「…なにこれ」


「なにって、購買のリンゴジュース」



差し出されたパックジュース。

そういえば彼女がいつも必ず飲んでいるものだと、つぐみちゃんも言ってたっけ。



「朝、下駄箱で。…つぐみに謝ってたでしょ」


「………、悪趣味だな」


「ふふん。須和の弱みが聞けてラッキ〜」



とか言ってるけど、決して馬鹿にしているようには聞こえない。



「…ふっ。さんきゅ」



責めるなんて気も起きず、差し出されたパックジュースを素直に受け取った。


屋上のフェンス。

寄りかかる俺の横に並んだクラスメイトは、こうして見るとつぐみちゃんより身長が5センチ近くは高いのだと。



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