家族になった来栖くんと。
「守れなくてって言ってたけど。私はそんなことないと思う」
「…どーだろね」
つぐみちゃん、ずっと不安がってた。
あのリンカとかいう先輩に目を付けられて、嫌がらせを受けたらどうしようって。
俺はいつも「大丈夫」「さすがにそこまではならないよ」って、そう言ってたけど。
まさかあんな大事が起きるなんて……想定外だったんだよ。
「結局守ったのは…俺じゃない。ボロボロになってまでつぐみちゃんを守ったのは……あの元カレなんだよ」
トーヤ、おまえかっこよすぎ。
仕返しをすると不利になるからって、ボイスメモを作動させて弁護士のお兄さんにだけ連絡して、自分が暴行を加えられることさえ加害者が逃げられない証拠にするとか。
そんなの、たぶん俺だったらできない。
「俺なんか…ぜんぶ事後報告で知らされたからね」
こういうことがありました、こんな事件が起きましたって後日談だ。
実際あの夜につぐみちゃんのために走り回っていたのは、俺じゃなくトーヤ。