家族になった来栖くんと。




「なにか食べたいものある?アイスとか」


「ううん…私はとくに…」


「じゃあ俺、買ってこ」



アイスコーナーを前にして、彼はイチゴ味とチョコ味のカップアイスを1つずつカゴに入れた。



「そのアイス……」


「…行こ」


「あっ、うん…」



1度だけ一緒に食べたことがある。

真冬のアイスも美味しいね、なんて笑いあった学校帰り。


私はイチゴ味、あなたはチョコ味。


そのときのレシートは……来栖くんに渡しちゃったんだっけ。



「あ、姉さん。白山さんさ、今日うちでご飯食べていくから」



えっ……?

スーパーを出てからさっそく来栖くんがスマホを取り出したと思えば、通話相手は涼さんだとすぐに察する。



「うん、帰りは母さんが送ってくれると思う。…ん、よろしく」



よ、よろしくって……。


私はそんなこと聞いていないし、きっと来栖くんのお母さんも聞いてないと思うよ…?


切られた電話。

相変わらず変化の乏しい表情を向けてくる。



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