家族になった来栖くんと。
「玉ねぎは俺がみじん切るから」
「あっ…はい…」
来栖くん、ガチだ。
スキーに使われるようなゴーグルを装着してキッチンに現れた。
そういえば私、来栖くんに初めて作ったご飯はオムライスだったような気がする…。
玉ねぎが目にしみて泣いちゃったんだっけ。
「わっ、来栖くん!玉ねぎ飛び散ってる!」
「落ち着けおまえら。…ダメだ、言うこと聞いてくんない。どーすればいい?」
「ど、どーすればいいって……気をつけよう」
「てか、白山さんがそれ言う?」
かつては私のほうが怪物だったと……。
ごもっともですと、項垂れる。
ゴーグルをして準備だけは一丁前な姿に、自然と静かな笑みがこぼれた。
「鶏肉、切れたよ。こんな感じでいい…?」
「ん。じゃあこれでチキンライス………やべ。米炊いてない」
「あっ!そうだった…!」
急いでセットしたお米。
早炊きではなく通常でボタンを押した来栖くんの行動のワケは、私にも不明だ。
本当に来栖くんと一緒にキッチンに立って平和にオムライスを作ってるなんて……なんだか落ち着かないな。