家族になった来栖くんと。




「鬼?あー…もしかして、弁護士してるっていうお兄さんのこと?」


「……うん」


「そんなに厳しいの?」



そんなに厳しいの。

なんだろうね、別に大学進学が必須というわけじゃないんだろうけど…。


やりたいことが見つかっていない私のような子には、とくに勉強する場から逃げさせない精神らしいのだ。



「つぐみちゃん、スーパーマンになるんじゃないの?」



机に突っ伏した私の頭上、見下ろしてきた須和くん。



「……なり、たい」


「あれ?願望?なるんだろ?ならないと俺が許さないよ」


「なります」


「…よし。じゃあ寧々、俺たちは行こう」


「あっ、待って須和!」



ふたりは同じ塾に通っているようで、今日も揃って教室を出ていく。


………にしても距離感。

あの距離感はただのクラスメイトとか、友達じゃない何かがある気がする。


どこかつつきたくなるイタズラ心は、しかし今は受験勉強にぶつけるのだつぐみ。



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