家族になった来栖くんと。




「あっ、来栖くん」



この町いちばんの図書館が見えてきたところで、最近になってまた顔を合わせるようになった男の子に出くわす。

彼もまた大学進学を目指しているらしく、私と違って夢や目標を明確にしている。


おまえも少しは桃弥を見習え───と、またもや脳内お兄ちゃんが出てきたので無理やりにも消した。



「白山さんも勉強?」


「うん」


「…いっしょにいい?」



いつからか、こうして鉢合わせるときは一緒に勉強をしていた。

お互いが未来に向かって進む姿というのは、無意識にも自分自身を鼓舞してくれる。


今日も私は快くコクンとうなずいた。



「西高はやっぱり進学が多いのかな?」


「まあ一応は進学校だから」


「そっかあ…。みんなちゃんと自分のこと考えててすごいな…」



また背が伸びた来栖くんとは、並んで歩くと身長差がハッキリする。

図書館で勉強をした帰り道は、こうして家まで送ってくれることもまた、当たり前になっていた。



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