家族になった来栖くんと。
「白山さんは何かやりたいこととか、ないの?」
「私は……誰かを救えるような人に…」
という、あやふやな夢なのだ。
職や仕事としての「これ」という目標がない。
ここが困るところで、学校選びの時点で壁にぶち当たっていたりする。
もう本腰を入れないといけない時期なんだから、志望校だけは決めなくちゃなのに……。
「それ、白山さんにピッタリ」
「え…?お兄ちゃんには呆れられてるよ…?」
「そんなことない。だって白山さんは……道端の花に気づける人でしょ」
道端の花…。
たまたま地面に視線を移すと、そこには私たちが良く知る紫色の小さな花が咲いていた。
「普通はさ、みんな上ばかり見るから。その上に行くためにこういう花を平気で踏みつけていく。でも…ここにあるじゃん。それに気づける白山さんの目、俺はずっと尊敬してる」
今ではもう、恥ずかしがるように顔を背ける仕草も減った。
しっかり目を合わせて、私の呼吸さえ見つめて、彼は同じ時間を共有する。
これが向き合えるようになった私たちだった。