家族になった来栖くんと。




「…えへ」


「……えへって、」


「だって尊敬なんて言われたの…初めてだから」



ありがとう来栖くん。

私もまた、一言もこぼさず伝えられるようになった。



「名前もちゃんと覚えたもんね」



しゃがんで、儚げに咲いたツタバウンランに笑いかける。


あの頃はこうする度に顔にかかっていた髪も、今ではバッサリと切り揃えられたショートヘア。

去年、彼氏に振られた日を境に、私は覚悟と一緒にセミロングだった髪を心機一転として切り落としたのだ。



「白山さん」



そんな私に、同じように隣にしゃがんだ彼が形のいい唇を小さく開く。



「…俺と同じとこ、行こーよ」


「……それって、」


「俺が受けようとしてる大学。…偏差値、ちょっと高めかもだけど」



なんか、似たような会話があったね。


いつだったかな?
そうだ、高校受験の手前だ。

次はもう大学受験なんだね。



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