家族になった来栖くんと。




「…考えとく」


「え、ちょっと」


「ふふっ。考えとくね〜」



こんなことも言えるようになった。

困った表情の来栖くんを置いて、スキップするように遊歩道を歩く。



「わっ…!」



ぐいっと引かれた手。

そのまま繋ぐことはせず、引っ張るような形で私を連れていく来栖くん。



「そっち、湖あるよ」


「うん。あるよ…?」


「落ちたらどーすんの」


「え…落ちないよ?私そんな子供じゃないよ来栖くんっ」


「子供だなんて思ってない。…女の子だから危ないでしょって言ってんの」



この時間になると涼しくなってきた夕風が、私の腕を引く彼の漆黒をサラサラと揺らす。


覗いた耳が赤く染まっていること。

私の位置からしっかりと見えた。



「…来栖くん、MBTI診断って知ってる?」


「あ。最近流行ってるやつだ。俺のクラスでも話題になってた」


「私も授業でやったの。そしたら私は提唱者っていう、けっこう珍しいタイプらしくて……」



それってどんな?と、聞きながら来栖くんは手をゆっくり繋ぎなおしてきた。



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