家族になった来栖くんと。




「いま学校近くの歩道橋にいるから、駅前のカフェとかで待っててもらえる?20分くらいで着くと思う!」


『わかった。でもゆっくり来て。転ばれたらそっちのほうが心配だから』


「ふふっ。今日だけは膝から血を流してでもぜったい行───」



ドンッッッ!!!!


背中を思いっきり、だれかに押された。

歩道橋の階段。
ちょうどいちばん上に立っていた私を。




「─────死ね」




踏み外した足は、グギッと捻ったことで階段から全身ごと豪快に転げ落ちていく。

放り投げるしかなかったスマートフォン。
繋がっていた先の声が、聞こえなくなった。


カンッ、カンカンカン…ッ!!


スクールバッグから飛び出したお弁当箱やペンケース。

私の身体を追いかけるように落ちて、そして。



「渡さない…、来栖くんだけは……絶対に…!!」



衝撃で頭がぐらりと揺れて、朦朧とする意識。

薄っすらと影だけを映した視界のなかで落ちてきたものは、忘れるはずもないかつての友人の声───。








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