家族になった来栖くんと。




「は…?だって、救急車……運ばれたんじゃ…」


「そうなの!初めて乗っちゃったよ。車内ってすごいんだね、いろんな装置があって!救急隊員さんも呼ばれたからには来なきゃいけないらしくて……一応、ここに運ばれました」



そこでも照れくさそうに、彼女は視線を逸らす。

こんな顔を、俺はとくに最近になって見るようになっていた。



「奇跡的に軽い打撲と捻挫で済んだらしくって。本当に良かったわね」


「ああ。奇跡のドジだからな、こいつは」


「なっ、それ嬉しくないよお兄ちゃん…!」



待って。
ほんと、追いつかない。

言葉よりも前に考える脳がまず、機能してない。



「だって…ここ…、白山って……」


「わ!本当だ。おなじ名前だね」


「いや……おなじ名前だね、って……」



なんでそんな笑ってんの。

だって突き落とされたんだよ?
またトラウマが増えただろ、絶対。


どうしていつもいつも傷つくのは白山さんなのに、そんな可愛く笑ってられんの……?



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