家族になった来栖くんと。




「あ。この名札取っちゃわないと。ちょっと失礼しまーす」



すると近づいてきたひとりの看護師が、303号室の名前を取ってしまった。


ついでに義兄が聞いてみると、どうにも昨日まで入院していた患者が無事に退院して空き部屋になったのだと。

そしてたまたま「白山」という名前をしていたのだと。



「偶然!白山ってあまり聞かないのにね!」


「ちょうどおまえの病室にしてもらえば良かったかもな」


「私は今日普通におうち帰るの!いいの?入院したら私、受験勉強できないんだよ?」


「逆にそれしかやることないだろうから、捗るぞ」


「そんな必要ないです〜!だって私、b判定もらっちゃったもん!」


「a判定にならないと俺は認めない」


「えー!?」



家族になった、白山さんは。

あの頃には想像できないほどの顔をたくさん見せてくれる。


その顔もかわいいな、とか。
そーいう顔もっと見たいかも、とか。

どんどん知りたくなって、もっと触れたくなって、近づきたくなって。


それで…、それで……、



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