家族になった来栖くんと。




言いたいとは、思ってたんだいつも。

でもあの頃の俺は今よりもっと下手だったから、格好つけるに精いっぱいで、うまく言えなかった。



「わたし…っ、私も……だいすき」


「っ…、俺も、大好き」


「……!」



おなじ言葉を返したい。

あの頃できなかったこと、我慢したこと、格好つけてタイミング逃したこと。


もう、全部したい。



「…ごめん。俺いま、顔、かなりひどいんだけど……」



────キス、したい。



「えっ、ちょっと待って来栖くん…!こころの…準備が……」


「いらないそんなの」


「んん…ッ!」



嫉妬でどうにかなりそうで、北斗に挑発されたことも悔しくて。

あいつに奪われるくらいなら俺が奪ってやろうって、その気持ちだけで強引で自己中に重ねたあの日の初めてとは。


なにもかもが違う、甘さだった。



「ぁ……、んっ…、んぅっ」



北斗と何回した?
どこまでしたの?

俺があの日、上書きして触れたのが初めて?


ねえ、俺とのほうが気持ちいいでしょ?


俺とのキスのほうが絶対いーよ。



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