家族になった来栖くんと。
ああダメだな…。
白山さんのことが好きすぎて頭おかしくなる。
「もっと…っ、ンンっ、もっと……っ」
「っ、…手、まわして、」
中学の頃だって、本当はしたかったんだ。
クール気取ってたけど、実際はこんなふうにしてみたかった。
苦しいって言って、俺の胸を叩いて、諦めて最終的に俺の肩とか制服をぎゅっと握ってくるような。
悲しいものじゃなく、嬉しい涙が混ざって、そのしょっぱさならいいかもなって許せて。
もっともっと欲しくなって、欲しがられて……ぜんぶ俺のだってなるような。
そんな、今みたいなキスを。
「……とーや、くん」
なにそれ、最高。
ここで名前呼んでくるとか、ねえ、狙ってやってる?
すると今度、ポタポタと幾つもの涙を流したのは白山さんだった。
「つぐ、み…?」
「わたし…、私ね、もっと、ひどいケガをしても良かったんだ…っ」
「え…?」
「だって桃弥くんっ、もっとボロボロ、なった…からっ」
1年前の夏休みの事件のことだと、すぐに分かった。
やっと自分も俺の気持ちを味わえたと。
あの日の痛みをやっと理解してあげられる、と。