家族になった来栖くんと。
「姉さんが来るってメッセージ、あったんだけど」
「か、代わりに来たもの…です。……ごめんなさい」
「…………」
まず私は、彼に嫌われている。
お姉さんだと思って出た先に元カノがいるなんて。
考えてみれば確かに軽くホラーだ。
「あのさあ……不安すぎる」
「……はい」
「料理したことあんの」
「調理実習…とか、で…」
「それは俺だってあるから」
そして私は、料理ができない。
こんなに意気込んで買い物をしてきたものの、ついでに料理本まで買ってしまった憐れさだった。
ちなみに涼さんから食費はもらいましたが、料理本は自分のお小遣いで買ったのでご安心を。
「その指の感じ、ぜったい切るだろ」
「ね、猫の手します…!」
「……オムライスだっけ。その調子で何時間かかんのかな」
事情を話すと仕方なくも家には上げてくれて、キッチンにも立たせてくれた。
家のなかはどこもかしこも懐かしさを感じさせる来栖くんの匂い。